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てんかんepilepsy

皆さんは「てんかん」というと、どの様なイメージをお持ちでしょうか?。突然倒れて痙攣する―その様なイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。実は、てんかんの症状は実に多様で、私達が思い浮かべる激しい発作はその一部に過ぎません。

てんかんとは

てんかんは、脳の神経細胞の過剰な興奮によって引き起こされる神経疾患です。かつては「癲癇」という漢字が使われていましたが、現在は平仮名で「てんかん」と表記するのが一般的です。脳のどこの部位に過剰な興奮が生じ、どの様に脳内に拡がっていくかによって、様々な発作として現れます。激しい全身けいれんを伴うもの(全身性強直間体発作)、一時的にボーっとする状態に至るもの(意識減損発作、欠神発作)、意識は失わないものの一時的な片方の手や足のしびれ、首のねじれ、顔の強張り、光が見える、気持ちが悪くなるもの(単純部分発作)、突然手足や体がピクピクするもの(ミオクロニー発作)、突然体に力が入らなくなり倒れるもの(脱力発作)などの発作があります。発症の原因から原発性と頭部外傷や脳腫瘍、脳梗塞等から引き起こされる症候性のタイプに分ける事が出来ます。てんかんが疑われた場合、脳波検査で発作の症状と一致するてんかん性異常波が検出されれば、てんかんの診断にて治療が開始される事となります。

意外と身近な病気

てんかんは、実は私達の身近にある病気です。日本の人口の約1%がてんかんを持っているとされており、決して珍しい病気ではありません。

てんかん発作の種類

てんかん発作には、大きく分けて以下の様なタイプがあります。

  1. 全般発作 脳全体に神経細胞の過剰興奮が拡がるもの。全身性強直間体発作、欠神発作、ミオクロニー発作、脱力発作等。
  2. 焦点(部分)発作 神経細胞の過剰興奮が脳の一部(焦点)であるもの。意識障害を伴なう意識減損発作(複雑部分発作)と意識障害を伴わない単純部分発作があり、時に脳全体に拡がり二次性全般発作に至る事があります。
  3. 分類不明の発作

治療法と対策

現代の医学では、てんかんの治療は大きく進歩しています。適切な治療を受ければ、多くの患者様は発作をコントロール出来る様になります。一部の難治な方や精神症状を伴なう方には外科治療の検討や精神科治療が必要となる場合があります。

主な治療法には以下の様なものがあります。

  1. 薬物療法
  2. 抗てんかん薬による治療が基本となります。医師と相談しながら、自分に合った薬と用量を見つけていきます。

  3. 生活習慣の改善
  • 規則正しい生活を心がけ、睡眠不足を避ける
  • 服薬を忘れない様にする
  • ストレスを溜めない様にする
  • 適度な運動を心がける
  • アルコール摂取を控える
  • 外科治療
  • 薬物療法で効果が得られない場合、手術による治療を検討する事もあります。

    日常生活での注意点

    てんかんがあっても、適切な管理と周囲の理解があれば、ほとんどの方が普通の生活を送る事が出来ます。ただし、以下の様な点には注意が必要です。
    自動車運転 てんかんの方が自動車運転の免許取得や更新を行なう為には、服薬の有る無しに関わらず運転に支障のある発作が2年間無い事が条件となります(道路交通法)。
    また、その際には症状の申告や医師の許可と診断書提出が必要となります。5年以上発作が無く投薬治療が終結し完治していると見なされる場合を除き、大型や第2種免許の取得は出来ません。上記を満たして運転される場合は、疲れや睡眠不足の無い状態で安全運転を心がける事が重要です。
    妊娠 てんかんにより妊娠を避けなくても良いのですが、以下の点を注意する必要があります。妊娠中の発作は胎児に悪影響を及ぼす可能性があり、薬物治療の継続が必要で急な服薬中断は危険です。一部の催奇性のある抗てんかん薬については、安全性の高い薬へ事前に変更する計画妊娠が好ましく、また妊娠中は産科に情報提供し連携しておく事も大切です。

    周囲の人が出来る事

    発作を目撃した際の適切な対応を知っておく事は、とても重要です:

    1. 慌てず落ち着いて見守る
    2. 周囲の危険物を取り除く
    3. 横向きに寝かせる
    4. 発作が長引く場合(重積状態)は救急車を呼ぶ

    希望の持てる未来へ

    医学の進歩により、てんかんの治療は年々進化しています。多くの患者さんが、適切な治療によって発作をコントロールし、充実した生活を送っています。
    大切なのは、正しい知識を持ち偏見なく接する事です。てんかんは、決して恥ずかしい病気でも、特別な病気でもありません。適切な治療と周囲の理解があれば、誰もが自分らしい人生を送る事が出来ます。
    自分や家族がてんかんと診断された場合も、決して悲観的になる必要はありません。むしろ、診断がついた事で適切な治療を受けられる様になり、より良い生活を送る第一歩と考える事が出来ます。
    医師から正しい情報を得る事で、てんかんとうまく付き合っていく方法を見つける事が出来る筈です。一人で悩まず、周囲の助けを借りながら、前向きに取り組んでいく事が大切です。