
社交不安障害とは?
社会不安障害(social anxiety disorder:SAD)とは不安障害の一種で、他人の評価や視線に対して強い緊張や不安、恐怖、苦痛を感じる病気です。特に人前での発言や会話に強い恐怖や苦痛を感じ、その様な状況を避けるために社会生活にも支障をきたすものです。
社会不安障害の原因はまだ明らかになっていませんが、一般的に、思春期に発症することが多いとされています。社交不安障害の症状は、精神的な不安・恐怖感だけでなく、顔面の紅潮、動悸、ふるえ、発汗、胃腸の不快感や下痢などの身体的な症状を伴う事がほとんどです。
社会不安障害は自然に症状が改善していく事が稀であり、症状の悪化を防ぐためにも専門の医療機関で早期に適切な治療を行なう事が重要です。
以下にあてはまる方は社交不安障害の可能性があります
以下の様な症状にあてはまる方は、社会不安障害の可能性があります。社交不安障害が続くと人と関わる状況を避ける様になり、引きこもりなど社会生活に支障をきたすことがありますので。早めに専門医療機関の診断を受ける事をお勧めします。
人前で話したり、発表したりする場面で、強い緊張や不安を感じるため、外出や人と会う事を避けがちである。
初対面の人に会ったり、話をしたりする時に、手足や声がふるえたりする
人前で動悸がする、顔が赤くなる、顔がひきつる
社交不安障害の治療法
社交不安障害の治療法には薬物療法や認知行動療法があります。
薬物療法
社会不安障害の薬物療法では、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)とよばれる抗うつ薬が有効である事が明らかになっています。このほか、症状が現れた際に速やかに症状を和らげる抗不安薬を処方する事もあります。
認知行動療法
認知行動療法は、薬を使用せずに、自分自身の考えや行動を変えていく事で、不安をコントロールしていく方法です。社交不安障害における認知行動療法は、薬物療法と同等あるいはそれ以上の効果がある事が明らかになっています。
社交不安障害の治療によるメリット
社交不安障害の治療には、以下のようなメリットがあります。
- 社交不安障害による症状を改善でき、自分に自信がもてるようになる
- 適切な治療により不安が軽減し、学校や職場への復帰が期待出来る
- 考え方や行動を変える治療により、根本的に社交不安障害を改善する事が期待出来る
- 人と関わる状況や場面を避ける行動が減り、QOL(生活の質)が向上する
当院の社交不安障害治療の流れ

当院での社交不安障害治療は、次の様な流れで実施されます。
1 問診 | 問診により、患者様の症状や、どの様な場面で症状が出現するかなどについて詳しく話をお伺いし、社交不安障害の程度などを診断します。 |
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2 検査 | 社会不安障害に似た症状を引き起こす様な隠れた身体的な病気を見逃さないため、必要に応じて血液検査や脳波検査などを行なう場合があります。また、社会不安障害の診断の補助に心理テストを行なう事もあります。 |
3 治療計画の提案・説明 | 診断結果に基づき、患者様の社交不安障害の症状に応じた治療計画を提案し、治療内容について詳しく御説明します。 |
4 治療 | 社交不安障害の症状に応じた適切な治療(薬物治療、認知行動療法など)を行ないます。 |
5 継続的なサポート | 治療が終了したあとも正しく治療効果を評価し、再発を防ぐために定期的なフォローアップを行ないます。 |